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コラーゲンの構造

 

コラーゲンの分子は長さが約300ナノメートル(0.0003ミリメートル)、

直径が約1.5ナノメートル(0.0000015ミリメートル)の棒状の形をしていて、

この分子は3本の鎖が絡み合った3重らせん構造(へリックス構造)をしています。

 

この3つ編みをしたロープのようなものがコラーゲン分子の正体です。

これが規則的に集合し、繊維状になって人間の各器官に存在しています。

さらにこの分子同士が橋のようなもの(架橋)を出して結びつき、結合強度を高くしています。

このようにコラーゲン分子は特殊な3重のらせん構造を持ち結合力も強いので、

胃や腸に存在する普通のたんぱく質分解酵素(ペプシン等)では分解されません。

コラーゲンを分解するには特別な酵素=コラゲナーゼを必要とします。

この酵素は、らせんをつくっている3本の鎖に作用して、一ヶ所で切断することができます。

この切れた鎖はとても不安定で、こうなってしまうと普通のたんぱく質分解酵素によって

簡単に分解されます。

 

またコラーゲンは熱を加えることによって3重らせん構造を壊すことができます。

これはコラゲナーゼのように鎖を切断するのではなく、3本の鎖でできた“らせん”をほどくように働き、

1本1本の鎖がくしゃくしゃになります。

この変化をゼラチン化と言い、その変化が起きた時の温度を変性温度と言います。

 

変性温度は住んでいる環境の温度に左右され、

陸上動物(人間や牛・豚等)の持つコラーゲンの変性温度は約40度強であり、

海に住む動物(魚等の変温動物)では生息している海水温によって異なり、約0度~約25度です。

コラーゲンは熱を加えることによって溶けるという性質を持っており、

これは一般的な他のたんぱく質の、熱を加えると固まる(卵の白身などのイメージ)という性質に相反します。

私達が普段食物やサプリメント等から摂取しているコラーゲンの大半は、このように熱によってゼラチン化し、

ある程度までバラバラになったものであり、これが胃や腸のたんぱく質分解酵素によって

アミノ酸あるいはペプチドにまで分解され、体内に吸収されていきます。

摂取したコラーゲンがそのままの形でコラーゲンになることはありません。

必ず分解という過程を経て吸収されアミノ酸になり、

それらを材料として人間用のコラーゲンが生成されるものと考えられます。

 

 

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